最近読んだ本はブクログのほうにアップしてますが。
昨日再読したこれが妙に頭を離れない。
上海ベイビー (文春文庫)
衛 慧,桑島 道夫
昨日突然再読してみた。
前に読んだ時は正直言って好きになれなかった作品だった。
山田詠美っぽい感じ?の、
現代の若者(でもいそうでいない)の
リアルな今とちょっとだけ違う時間が
当時のリアルだからこその変な違和感を感じていた。
80Sはかわいいけど90Sはダサイ感じの。
いろんなひとに主人公に似ているといわれた時があった、確か。
そのことがひっかかっていたのかもしれないけど、
とにかく再読してみた。
「上海」が本の中のものでもなく、
不思議だけどあこがれる街でなくなってから5年経つ。
タクシーで50元先のものでなくなってから4年経つ。
自分の立っている場所、部屋の中の空気、
窓の下の風景、それらが全部「上海」になってしまった。
そんな状態が、山田詠美的な微妙な時間のズレをみごとに埋めた。
店内や周囲の描写だけであの店かとわかってしまうような状態。
そして私が主人公に似ていたとも思えなかった。
(彼女の浮ついた感じや妙にメンヘルっぽい感じは確かに似ていたが)
エポックメーキングな作品だったとは思うが、
それ以上でも、それ以下でもない。
でも微妙なところで妙に古い傷をつかれる感じ。